一原有徳記念ホール 過去の展示

公開日 2021年06月27日

更新日 2024年03月01日

幻視者一原有徳の世界

趣旨

 市立小樽美術館では、生前の2度にわたる大型寄贈や企画展・特別展を通じて一原有徳作品が増え、現在では大小あわせて1,240点ものコレクションを形成するに至っています。

 当美術館にとって、この膨大なコレクションの展示は大きな課題となっていましたが、平成23年4月に「一原有徳記念ホール」をオープンし、一原有徳という特異な版画家の足跡を伝えることができることとなりました。

 本展は一原有徳記念ホールオープン記念展と位置付け、代表作であるモノタイプ、腐食版、オブジェのほか、版画以前の初期油彩など多くの展示を通して、一原有徳の人間像と実験精神を紹介します。

会期

 平成23年4月2日(土)から平成24年4月19日(木)まで

幻視者一原有徳の世界2

趣旨

 市立小樽美術館に「一原有徳記念ホール」が誕生して1年が経過しましたが、マルチな才能を発揮した一原有徳のジャンル横断的な構成を維持しつつ、大型組作品などの入れ替えを行います。

 また、モノタイプの発見となった「石のメモ」や、2000年以降に制作され版画制作の最後を飾った「AZシリーズ」などの作品を加え、モノタイプの世界を紹介します。

会期

 平成24年4月21日(土)から9月17日(月)まで

幻視者一原有徳の世界3-1960年代を振り返って

趣旨

 美術家として世に出る以前の一原有徳は、俳人「一原九糸」や登山家としての活動で知られていましたが、偶然の出会いから版画を始めることになります。

 その後、全道展や国画会への出品作が美術評論家・土方定一の目にとまり、1960(昭和35)年には初の個展を東京画廊でを開催しましたが、このとき、土方門下であった神奈川県立近代美術館の学芸員らは、一丸となって裏方の作業を引き受けています。

 土方定一は個展のパンフレットに、通常は無名作家を紹介するために作品の内容や推薦文を書くところを、あえて自分の「詩」を掲載しました。その詩は一原有徳の作品を見てストレートに浮かんできたイメージを言葉に置き換えたものでしたが、土方定一はこのことにより、これからデビューする一原有徳とは、恣意的なものや情実は一切ないことを示そうとしたようです。

 それにもかかわらず、この初個展は美術評論家や美術関係者の注目を浴び、著名な美術雑誌に評論が掲載されたり、作品がコレクターに買い上げられたりするなど大成功をおさめました。土方定一の存在なくして版画家・一原有徳が生まれることはなかったでしょうが、一原有徳はその眼力にかなう底知れない創造力を持っていたといえるでしょう。

 本展では、一原有徳の1960年代に注目し、東京画廊での個展を振り返りながら、その創造力に満ちあふれた初期抽象版画を主に展覧するものです。

会期

 平成24年9月22日(土)から平成25年9月16日(月・祝)まで

幻視者一原有徳の世界4

趣旨

 当館の一原作品の収蔵品は約1,200点に及びますが、その膨大な作品をジャンルごとに分類し、各表現を横断しながら順次公開しています。

 本展では、登山家としての孤独感と俳人としての思索の境地が反映した一原有徳の世界を、50歳の一原有徳が東京画廊の個展でデビューを飾った初の個展出品作をはじめ、彼が取り組んだ代表的な二つの版画技法であるモノタイプと腐食版を通じて紹介します。

会期

 平成25年9月22日(日)から平成26年9月15日(月・祝)まで

幻視者一原有徳の世界5「ミニアチュールによる版のいろいろ」

趣旨

 一原有徳は、実験的に「版」の概念を拡大し、独創性を第一に考えて制作されたモノタイプ、腐食版、立体、オブジェ、ブランディング、鉛版などの作品は、国内外において高い評価を受けています。

 本展では「ミニアチュールによる版のいろいろ」と題し、一原有徳の代表的な版画技法を紹介するために最小サイズ(10cm角程度)の作品を、大きな特徴にグループ分類化してユニット展示しています。

 また、初公開となるオブジェや腐食版も展示し、一原作品の魅力を堪能していただきます。

会期

 平成26年9月20日(土)から平成27年4月19日(日)まで

幻視者一原有徳の世界6

趣旨

 小樽でその生涯のほとんどを過ごした一原有徳は、実験的に「版」の概念を拡大し、「現代版画の鬼才」とたたえられました。

 2015年は一原没後5年、記念ホール開設5周年の節目の年となりますが、本展では一原の評価を決定づけたモノタイプに焦点をしぼり、デビュー作の石版から晩年の大型インスタレーション作品までを幅広く展覧し、その変遷をたどります。

会期

平成27年4月25日(土)から平成28年1月24日(日)まで

幻視者一原有徳の世界7

趣旨

一原を美術へ導き、大きな影響を与えた職場の先輩、須田三代治の油彩作品と一原の初期作品をあわせて展覧し、二人の友情を紹介します。

会期

平成28年1月30日(土)から平成28年7月3日(日)まで

幻視者一原有徳の世界8

趣旨

一原が貯金局(現美術館)の1階の石目の床で試みたモノタイプ作品や、パレット代わりに使っていた廃材の石版石から生み出した「風のメモ」シリーズなど、1960年の初期作品を紹介し、その素朴な味わいと不思議な魅力を堪能いただけます。

会期

平成28年7月9日(土)から平成28年10月23日(日)まで

幻視者一原有徳の世界9

趣旨

当館のために一原が制作した壁シリーズ「AP(omam)1」14点組と「AP(omam)2」20点組の大型組作品を展示するとともに、初期モノタイプ「石のメモ」からオブジェ、さまざまな腐蝕版、モノタイプまで、一原の編み出した技法の全てを網羅して展覧いたします。

会期

平成28年10月29日(土)から平成29年2月26日(日)まで

幻視者一原有徳の世界10

会期

平成29年3月4日(土)から平成29年7月2日(日)まで

幻視者一原有徳の世界11二つの技法モノタイプと腐蝕版

趣旨

無機的な冷たい闇の空間を表すモノタイプと金属と腐蝕液が生み出す不思議な魅力をもった腐蝕版の二つの世界を、特に発表当時の初期作品に焦点を当て御紹介します。

会期

平成29年7月8日(土)から平成29年12月24日(日)まで

幻視者一原有徳の世界12山岳眺望/オブジェ・廃材を使った絵馬など

趣旨

一原の独特な表現世界のうち、登山家として自ら登攀した山々を表現した、一原にとっては珍しく具体的なイメージをもった作品を「山岳眺望」として紹介。また、新年を迎える初の展示となることから、一原が拾い集めた廃材を絵馬風にアレンジしたユニークなオブジェの数々「廃材を使った絵馬」などを紹介。

会期

平成30年1月6日(土)〜平成30年7月16日(月・祝)

幻視者一原有徳の世界13・前衛版画を切り拓いた二人の友情

趣旨

版画家としてのスタートが遅かった一原は、とうとう海外渡航を実現できなかったが、

池田をはじめ多くの友人によって世界の現代美術の動向に視野を広げた。

本展示では、北海道出身の二人の版画家一原有徳と池田良二の交流の一端を、

池田作品寄贈をきっかけに紹介いたします。

会期

平成30年7月21日(土)〜平成30年10月21日(日)

幻視者一原有徳の世界14・版の軌跡

趣旨

一原は版画のほとんどを小樽地方郵便局(現市立小樽美術館・文学館)の、地下倉庫の中で使われなくなった廃材を使って生み出されていった。小樽にいながら、その作品は国際的に認められ「現代版画の鬼才」と讃えられた。

実験的な版画家であり、モノタイプ、腐食版、ブランディングなど独創性を第一に考え、版の概念を次々に拡大していった。

このたびの展示では、版画家を志す以前の初期油彩画から、衝撃的なデビューを果たしたモノタイプの誕生、腐食版・・・と連綿と続く一原の版の軌跡を展覧します。

会期

平成30年10月27日(土)〜平成31年2月24日(日)

幻視者一原有徳の世界15・一原有徳とその時代

趣旨

一原が活躍した50年代から90年代は、国内外の多様な芸術運動が流動し、芸術の概念が大きく揺れ動いた時代でもありました。また、同時期に日本は高度経済成長を向かえ、その後バブル崩壊を経験します。小樽も商業都市として栄え、小樽地方貯金局(現市立小樽美術館)が面する金融街は多くの人で賑わいましたが、1965年頃に4つの銀行が撤退し始めた頃からその勢いに陰りが見え始めます。

そんな激動の時代の中でも一原の個性は揺らぎませんでした。実験的な技法で版の概念を大きく広げ「現代版画の鬼才」と呼ばれた一原。時代背景と共に、その画業の軌跡を展覧します。

会期

平成31年年3月2日(土)〜令和元年10月20日(日)

幻視者一原有徳の世界16_詩人との出会い・米谷祐司の遺したもの

趣旨

一原有徳は、自らが俳句や幻想小説を手掛けていたことから文壇にも知人が多く、さまざまな詩集、句集、雑誌、機関詩などの装丁に、版画作品が活用されています。河邨文一郎を代表する詩誌『核』は、「核の会」創立の翌年である1959年2月に創刊され、その編集者として第8号から腕を振るったのが、河邨文一郎の一番弟子の米谷祐司でした。米谷は『核』の表紙・扉の挿絵として一原の版画作品を起用し、表紙のレイアウト自体も自ら手掛け、気に入った作品は部分を切り抜いて多用し何度も掲載しました。1950年代当時一原はモノタイプ技法を見い出したばかりで、全道展や国画会展に出品し始めた無名の存在でしたが、米谷は『月刊おたる』を通じて、たびたび一原を取材しインタビュー記事を掲載しています。本展は、月刊おたる発行人の米谷祐司が手元に保管していた版画作品と詩誌『核』を展覧し、一原有徳と詩人たちとの交流を紹介するものです。

会期

令和元年10月26日(土)〜令和2年2月24日(月)

幻視者一原有徳の世界17_機能美の勝利−小坂秀雄の建築と一原有徳

趣旨

本展は、市立小樽美術館開館40周年を記念し先行して開催された建築史家_駒木定正氏の講演会「小坂秀雄とモダニズム建築」(2019年7月6日)に基づき、小坂秀雄の業績の紹介、逓信建築の様式、さらには同時代の国際建築などを紹介し、それらが一原にどのような影響を与えたかを見ていくものです。

会期

令和2年2月29日(土)~令和2年9月22日(火・祝)

幻視者一原有徳の世界18 一原有徳と版画の70年代

趣旨

2020年は、一原有徳の生誕110年・没後10年の節目となる年であり、その表現に再び注目が集まっています。

一原が版画制作を始めた1950年代後半は、その後80年代にかけて、国際的な「日本版画ブーム」が起こった時代でした。"印刷"技術の発展や他ジャンルの美術家の版画への参入、戦後の経済成長など版画をとりまく様々な環境が刻一刻と変化し日本画の版画概念は大きく揺れ動き、版画の定義や固有性は、盛んに議論されるようになります。

1970年代は、日本において版画の概念が著しく拡大し、その活況に世界が注目していたことから「版画の70年代」といわれています。同じ頃、一原はそれまで勤めていた小樽地方貯金局(現・市立小樽美術館文学館)を退職し版画制作に専念するようになりました。

本展は、小樽の地で生涯制作を続け、版画の世界の活況から地理的にも本質的にも距離をとり"現代の版画の鬼才"と呼ばれた一原と同時代の作家たちの作品とともに、一原の70年代の画業を紹介します。

会期

令和2年9月26日(土)~令和2年12月27日(日)

幻視者一原有徳の世界19 一原有徳と版と版画の関係

幻視者一原有徳の世界20 一原有徳の油彩表現

トピック展示 斎藤清と小樽

幻視者一原有徳の世界21 一原有徳と小樽創作版画のひとびと

求めるもの・ゆだねたもの

潮見台の出会い~福井貞一・河野薫・宮川魏

蝶光る八月いまもネガの街 一原有徳と戦争体験

お問い合わせ

教育委員会教育部 市立小樽美術館
住所:〒047-0031 小樽市色内1丁目9番5号
TEL:0134-34-0035
FAX:0134-32-2388
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